万人に理解される人はいない。万人に好かれる人もいない。
でも、
自分が好意を抱く人から拒絶されるのは、やっぱり苦しい。
そんなことを、夏目漱石の彼岸過迄を読み終えたときに思った。
100年以上前の漱石の言葉が今を生きる俺の心を捕らえて放さないのは、いったいなぜなのだろう?
漱石の小説を読めば読むほど、漱石の心の内にある、どす黒い部分が見えるようで、すごく怖くなる。なぜなら、多くの小説で男女のえぐい関係(三角関係・略奪愛)を描いているからだ。どうして、こんな小説を書き続けたのだろう、なぜ書いたのだろうと深く考えてしまう。