「吾輩は猫である」を読んだよ

吾輩は猫である (岩波文庫)

吾輩は猫である (岩波文庫)

 かれこれ3回目だと思う。初めて読んだのが、確か高校1年の時。2回目が暇だった大学3年の頃。そして今27歳になろうとしているところでまた読んだ。漱石の作品は、「こころ」とか「三四郎」など、ことある毎に読み返している。彼の文体の不思議さというか、そのテンポが好きなんだろうな。難解な言葉を使っているにもかかわらず、読みやすいところ。

 あと、注目すべきは、猫の視点を借りた徹底したリアリズムの描写かな。あの泥棒が入ってくるシーンの描写なんか、臨場感があって、すごいと思う。


 「吾輩は猫である」は、漱石の作品の中では長い方なので、読むことになれていない人は途中で断念してしまいがちだけど、喜劇的な作品なので、むしろ初心者向きな気がする。深い思索があるにはあるのだけれど、どこか茶化されてしまうところもあるので、読後感もすっきりしていていい。


 前に読んだときは吾輩である猫の飼い主”苦沙弥”がずいぶん年上に思えたのに、27歳になってすごく近く感じた。それだけ年を取ったということなんだろうなー。