今日の科学ネタ

 はてブより、このネタを。一部じゃ、リアルゴジラか、リアルビオランテなんて騒がれてるね。


 参考:チェルノブイリで放射線を食べる菌が見つかる|デジマガネット


 このネタですが、元となる論文が出たのは、かれこれ10ヶ月近く前の2007年5月。元論文のAbstractを引用します。元の論文はPLoS Oneというオンラインのみで査読無しという新しいタイプの雑誌に掲載されているね。

Melanin pigments are ubiquitous in nature. Melanized microorganisms are often the dominating species in certain extreme environments, such as soils contaminated with radionuclides, suggesting that the presence of melanin is beneficial in their life cycle. We hypothesized that ionizing radiation could change the electronic properties of melanin and might enhance the growth of melanized microorganisms.

 この論文を受けて、世界的科学雑誌NatureがNewsで取り上げる。それがこれ↓


 参考:Hungry fungi chomp on radiation : Nature News


 このNatureの記事は、科学ニュースあらかるとさんがいい日本語訳を作ってくれているので、そちらにリンクを貼ります。


 参考:空腹なキノコは放射線をむさぼる(生態学と進化) / 科学ニュースあらかると - 放射線をエネルギー源に使う菌類


 今回のはてブの記事ですが、放射能を食べるのではなく、放射線をエネルギー源とする表現の方が正しいです。メラニンの電子状態を放射線が変化させ、それが代謝系に影響をもたらすそうです。また、放射線のことは俺は詳しくないのですが、元論文中で用いられている放射線量にも疑問があり、細胞20個に対して光子1個という非常に微弱な量なのだそうです。それについては、以下のサイトが詳しくまとめているので、一読するといいと思います。


 参考:「空腹なキノコは放射線をむさぼる」のか? - mobanama69号