少女ファイト

 やっと読めましたよ。こんな良いマンガならとっとと買っておけばよかったです。

 少女ファイトは現在イブニングに連載中の高校バレーボールマンガ。TBNのお兄ちゃんも取り上げるなど、ネットで注目を集めつつある勢いのあるマンガです。


 少女ファイトの一番の良さは、人間関係の濃さと人物描写の緻密さにあると思います。

 主要なキャラはそれぞれ皆、バレーに挫折した経験やトラウマなど屈折した重い過去を抱えていて、しかもその描き方が丁寧。
ストーリーが進むに連れて明らかになっていく過去と個々の人間関係が合わさることで読者はそれぞれのキャラクターに感情移入できて、そのおかげで1人1人の台詞が重く、ずしりと来るものに昇華されていきます。


 読んでいて、個人的に衝撃を受けたのは、この台詞。

「練さん,人に誤解されるのが慣れるわけないですよ」

 あの場面で、こんな風に人を救うことの出来る台詞をさらっと出す学というか、日本橋ヨヲコに脱帽。


 あと、もう1つすごいと思ったのは、

「特別な人間なんていねんだよ。そいつが何をやってきたかが特別なだけだ」

 というコーチの言葉。才能論に逃げる全ての人に、この言葉をぶつけてやりたい。


 過去が重いだけに登場人物が、みんな高校生とは思えないほど達観しているのだけは、ちょっと現実味が欠けてしまうなと思ってしまったけれど、読み終えたときの充実感は半端ない。大抵、マンガの単行本は10分程度で読み終えるんだけど、この少女ファイトは1冊30分かけて、1つ1つの台詞を味わうように、じっくり読みました。それだけ「少女ファイト」が濃密度だってこと。

 しかも、序盤から面白いんですが、4巻以降面白さが加速度的に増していくのがすごいところ。このペースで行くと、後半で大会に突入したら、すごいことになるんじゃないでしょうか。

 本当に熱いマンガです。所々、涙腺が緩みます。このところ、マンガに限らず本の運がすごくいいな。読む本みんな、良い本ばかり。このマンガを教えてくれた、友人とブロゴスフィアに感謝。

 ちなみに、俺は志乃派です♪