夜と霧
読みました。前からタイトルだけを知っていたけれど、未読のままでした。今回、読もうと思うきっかけを与えてくれたのは、スゴ本の中の人が紹介していた以下のブログ記事からです。
→ わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 人なら読むべき「夜と霧」
本書の内容はホロコーストの代名詞ともいえる、あのアウシュヴィッツの体験記。著者であるフランクルさんは精神科医、かつ心理学者であることもあり、その恐ろしい体験を詳細な心理描写と科学者としての視点を以て、解説していきます。
この本を読んでいて俺が一番不思議に思ったのは、人間が極限状態に陥った時に取り乱すのではなく、むしろ冷静に物事を見出すということです。普通の人なら感じるであろうこのような状況へと追い込んだナチスへの憎しみの描写は見られず、ただ生きるということ、生とは何かという哲学的・宗教的問いへの分析の記述が多かったのが印象的でした。
新大学生に読ませたい100冊で10位にランクインするのも納得できる一冊であり、スゴ本の中の人が人なら読むべきと紹介するのも頷けます。未読の方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?