チェーザレ

チェーザレ 破壊の創造者(3) (KCデラックス)

チェーザレ 破壊の創造者(3) (KCデラックス)

 とりあえず3巻をば紹介。先日、マンガ喫茶にいった時に、読んだ本。あの、ニッコロ・マキアヴェッリの「君主論」のモデルとされているチェーザレ・ボルジアを描いた作品です。

 君主論は昔、大学に入り立ての頃に読んだことがあります。マキアヴェッリの「君主論」、クラウゼヴィッツの「戦争論」、アドルフ・ヒトラーの「我が闘争」は独裁者になるための3冊だと自分勝手に思ってますが、その中でも、「君主論」は今でも十分に通用する理念を持った本だと思っています。ちなみに、君主論を読みたい人は、これがオススメですね♪

マキアヴェッリと『君主論』 (講談社学術文庫)

マキアヴェッリと『君主論』 (講談社学術文庫)

 元東大学長の佐々木毅先生が執筆した本書は、君主論の訳だけではなく、その歴史や文化の背景を前半部分で説明してくれているので、非常にわかりやすい本でした。よかったら、チェーザレと合わせて、読んでみたらいかがでしょうか?


 さて、話がちょっと逸れてしまったけれど、このチェーザレでは、チェーザレ・ボルジアがピサの大学に通うところからストーリーが始まっていきます。3巻までで、脇を固める登場人物に、ニッコロ・マキアヴェッリレオナルド・ダ・ヴィンチ、さらにはコロンブスなど同時代の有名人が多数登場してくるので、歴史好きの人はたまらんこと間違いなしでしょう。

 あと登場していないと言えば、ミケランジェロなのですが、登場人物のアンジェロがそうではないか、との考察がWikipediaに書いてありました。でも、著者本人がブログで否定したそうなので、きっと違うんだろうなぁ。


 参考:チェーザレ 破壊の創造者 - Wikipedia


 まだ、連載中(考証が大変なため不定期でモーニングに連載)で3巻までしか発売されていなく、続きがとても気になるのが難点ですが、今年読んだマンガの中で一番面白いものでした。


 このチェーザレの特長ですが、とにかくその歴史検証の度合いが半端ない。巻末にある参考文献のリストを見れば、その凄さが分かる。マンガで、参考文献に3ページも使うものって今までにありましたっけ?

 例えば、食事の風景や服装、風景といったありとあらゆる部分が15世紀に忠実に再現されているのである。さらにすごいと思ったのは、その時代にはミケランジェロ最後の審判をバティカンのシスティナ大聖堂の天井に書く前で、星空が描かれていたのは有名ですが、それを忠実に再現していたり、至る所に鳥肌ものの描写がたくさん見受けられました。


 秋の夜長に一読のマンガです。ぜひ♪