たった一冊

 今日の天声人語を読んでみて思ったこと。

無人島で読むなら、どの1冊を選びますか。米国の図書館や大学はそんなアンケートが好きだ。『カラマーゾフの兄弟』や『失われた時を求めて』などが並ぶ。名作は名作でも、ふだんは先延ばしされがちな大著が目立つ。

 もし、無人島にたった一冊しか本を持って行けないとしたら、何を持って行くか。自分なりに考えてみたんだけど、たった一冊という限定なら、孔子の「論語」を持って行くと思う。

 人間の理想論をあそこまで語った作品はないだろうし、何日・何年掛けても、何度読み返しても得られるものはあると思うから。無人島で向き合うには、いい作品だと思う。

 本当のことを言うと、今までに論語はさわり程度しか読んでません。だからこそ、なお一層、無人島のような状況で向き合ってみたい。
 
 さわり程度しか触ってない論語。でも、すごく印象に残ってる文章がいくつかあります。特に印象的だったのは、この文章の後半部。有名なくだりだから、きっと知ってる人も多いはず。

 子曰、非其鬼而祭之、諂也、見義不爲、無勇也、
 子の曰わく、其の鬼(き)に非ずしてこれを祭るは、諂(へつら)いなり。義を見て為ざるは勇なきなり

 「するべきことがあるのにしないのは、臆病者だ。」という意味になるかな。実際難しいんだけどね。


 やっぱり無人島で読むという観点で選ぶとなると、天声人語で言ってる通り、普段読まない大作になるもんだ。ちなみに、天声人語で紹介されてる「カラマーゾフの兄弟」なら今、読んでるんだけど・・・。